2008.12.24update 起業家・ベンチャーキャピタル・投資家を繋ぐコミュニティ・マガジン

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Front Interview
第1話 第2話
第3話 第4話
Vol.012 三井法律事務所 弁護士 代表パートナー 三井拓秀第2話 創意工夫の輪
コラム(2) パーソナル・データ(2)
リスペクトなき日本企業
 米国での留学先はコロンビア大学のロースクールでした。あちらのロースクールは教員として実務家が来たりしていますから、日本よりは実務に近いことが学べます。ロースクールを修了すると今度は、実際にビジネスの現場を体験したくてニューヨークの法律事務所に所属することにしました。この事務所には1983年から1984年までいました。しかしあくまでも法律事務所ですから、なかなか現場まで入り込むチャンスはありませんでした。
  この法律事務所に勤めてわかったのですが、顧客として米国企業と日本企業とでは明らかに取り扱いに差がありました。米国の弁護士にとって一流の顧客というのは、やはり米国の一流企業なわけです。いくら日本で一流の企業であっても、米国の弁護士にとってはファーストランクにはならない。
  しかし、日本の企業というのはお金の払いは良いですから、良いお客様であることに間違いはないのです。ところがリスペクト(尊敬)はされていないのです。米国で生活していると、日本の会社の商品を買ったりサービスを受けたりすることは常識になっています。それでも扱いは違う。「なるほど、日本はこういうあしらいを受けているのか」と思いましたね。

ロンドンへ、ユーロ市場へ
 米国の金融マーケットは規制が厳しいために、米国の中だけで完結しているという面があります。一方、ユーロ市場はロンドンを中心に動いていまして、こちらはより自由な活動ができる市場であるため、日本の企業も積極的に活用していました。次はそちらを見ておこうと思い、ロンドンに渡ることにしました。
  ロンドンでは法律事務所ではなく、実際の企業の中に入って仕事をしたいと思っていましたから「受け入れてくれる企業を探してほしい」というアプリケーション(申請書)をせっせと書いては、いろいろな会社に送っていました。しかしこれといったコネクションがないものですから、色よい返事は帰ってきませんでした。ブリティッシュ・バンカー・アソシエーションから、「探したけれど見つかりませんでした」という丁寧な返事をいただいたこともあります。書類ベースではらちがあかないので、ロンドンに進出している日系の企業にお願いしてロンドンの法律事務所を紹介してもらい、そこに所属することになりました。
  ロンドンでも日本企業は、やはり米国と同じ扱い方をされていました。金払いは良いけれどもリスペクトされていないと。なぜ日本人や日本企業がリスペクトされないのかというと、一つは「やっていることが同じようなことばかりで個性がない」ということ。もう一つは、日本人が現地のビジネスコミュニティに積極的に入っていかないということが挙げられると思います。




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