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Vol.007 株式会社ドリームインキュベータ 代表取締役会長 堀紘一第4話 喜びも悲しみも利益も分かち合う
コラム(4) パーソナル・データ(4)
ソロバン、プラス「情」
 僕は常々、数学ができる人が一番ビジネスに向いているのでないかと考えているのです。事業内容を聞いているだけで、頭の中ですぐにソロバンがはじけるようなタイプです。大学でいえば、数学が受験科目に必須である東工大の出身者ですね。
  もちろん数学的素養が不可欠だといっても、実際のビジネスが無味乾燥だと思ってるわけではありません。ビジネスというのは数学的である半面、とっても人間的でウェットなものなのです。だから義理人情みたいな部分も大切です。基本はソロバン、プラス「情」ということになるのでしょうかね。
  あと、ビジネスで欠かせないのは、尊重し合うことですね。僕たちが関わる企業についても、「監視する」という感覚で接すると、相手も反発して良い結果は出てきません。いい会社にしようという気持ちの重なる部分を共有しながら、お互いを尊重し合い協力していく。こういう感覚が大切だと思っています。

会社に終生変わらぬ責任と愛情を
 会社の創業はゲーム感覚ではできません。その事業に人生を賭けている人もいれば、その事業で妻子を養う人もいるわけです。そういう人たちがいることを顧みず、公開してお金を握って「はい、さようなら」と現場を去っていく人がいますが、これはダメだなと思います。
  創業者としては、実際の経営は入ってくる若い人たちにどんどん権限委譲してもよいと思います。
  でも自分が作った会社である以上は、どこまで行ってもその会社のためになることを考えていくべきだ、というのが僕の考え方です。これは取締役を外れても、たとえ株を持っていなくてもです。産み落としたものについては、権限はなくても終生、責任と愛情を持たなくてはいけません。
  もちろん80歳、90歳まで社長をやろうという意味ではないですよ。僕自身も61歳で社長を退きましたからね。僕もいつかはこの会社の取締役から外れる時がくるでしょう。それでもドリームインキュベータが良い会社であることを願うし、できる手助けは何でもやっていこうと思っています。

次号(10月4日発行)は、LPL日本証券の米田隆さんが登場いたします。



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