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Front Interview
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第3話 第4話
Vol.012 三井法律事務所 弁護士 代表パートナー 三井拓秀第4話 リスク&チャレンジ
コラム(4) パーソナル・データ(4)
実践的スキームを
 これまで日本は営々と良い物を作って、それを輸出して、しかし、取りぱぐれていました。実は世界には代金を払わないようなやからもいっぱいいるわけです。日本人なら「今日は期日だから借金を返さなければいけない」という感覚になるのでしょうが、「取りに来ないのだから払わなくてもいいだろう」と平気ですませてしまう人々もいます。
  私は、湾岸戦争前にイラクへ債権回収の仕事で行ったことがあります。基本的にはイラクの銀行がLC(信用状)を出しているため、それを信じて輸出しているのですが、イラクの銀行がそれを履行しない。金を払ってくれないわけです。債権だけで1兆円ほどあったと思います。
  それでイラクが輸出した石油代金の支払いを貯めて、そこから日本の商品の代金を相殺するオイルスキームをつくりました。実は先進国間でパリクラブの協定があって、そういうことはできないことになっていたのです。ところが、私たちが交渉に行ってみれば、前にはドイツがいる、後ろではカナダが待っているというぐあいに、みんな同じ方法でやっているわけですよ。そうした社会であるということも知っておく必要はあると思います。

挑戦する弁護士
 これからの法律家、特に企業法務に関わる弁護士の方々には、日本の法律に通じているだけでなく、英米をはじめその他の外国法も勉強してもらいたいと思っています。
  また日本のマーケットに対応するため、日本にも海外からたくさんの弁護士がやってきています。日本や東京というマーケットを使ってプレーをしているわけです。彼らは本来なら日本人の弁護士がやるべき分野を手がけているのです。日本のユーザー、たとえば政府機関や企業にも、"日本の弁護士にはできない"という先入観があって、外国の弁護士に依頼しているケースも多いのです。
  本来なら日本の権益、利益、最終的には日本で税金を払ってくれている人たちの利益になるような仕事というものは、日本人の弁護士がやるべきだと思っています。新しく弁護士になる方々には、そうした分野にも積極的に挑戦してもらいたいし、そうした仕事に挑戦していくことが私自身の今後の課題だとも思っています。

次号(2007年3月7日発行)は、株式会社リヴァンプの澤田貴司さんが登場いたします。



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